






ポポタム18周年記念グループショウ(後期)の出展作品です。
*こちらの作品は売約済みですが、会期中(2023.5.28まで)は会場でご覧いただけます。
タイトル: “It took 18 years to be this wonderful.”「これからどこへ行く?」
サイズ:高さ約190mm x 土台の幅約70mm
画材:シナノキ、サクラ
伊津野果地さんは一つのジャンルに括れない作家です。
今回のグループショウでは彫刻の作品を出展してくださいましたが、絵画・イラスト・絵本/ストーリーの舞台でも表現活動をされていて、ポポタムにとって「ひとことで語れない作家」の一人。
この作品の制作過程は伊津野さんのインスタグラムのストーリーで一部中継されていましたが、一塊の木を掘り進めていくと、画像の後ろ姿でわかるような「色」が出てきたそうです。
一点の汚れなき木肌、なめらかな白も美しいけれど、この木が内に長年たくわえていたノイズ。
成長過程のある時期に得た、創(きず)なのかもしれません。
この色を、シミや汚れととらえてガッカリするのか。
おや、こんな創が?と好奇心を刺激されるのか。
どうやったら人間、少しでもマシで愉快な生き方ができるのかな。
知恵と経験(想像でもOK)、愛とか大きくなくてよくって、何だか好ましいと思う気持ち、いわゆる好奇心、行動力があればなお。
伊津野さんはそんなメッセージを、木を削るように削いで削いで、形にして、こんな毛の生えたモニュメントにしてくれました。
と、私は感じています。
今回は一点のみの出展のため、伊津野さんのタブローやドローイングをお見せできないのが残念です。個展の機会があればぜひ。
こちらは販売済みの作品ですが、360度、眺められるような配置にしていますので、ぜひ会場で、この小さなモンスターと目を合わせ、後ろあたまもご覧ください。
展示会場での撮影:香川賢志