









ポポタム18周年記念グループショウ(後期)の出展作品です。
タイトル:きおくの集合体
フレームサイズ:約265mm × 約320mm
画材:水彩絵具、水彩紙
カヤヒロヤさんはデザインもするイラストレーター。
東京での初個展の場所にポポタムを選んでくださってから10年のおつきあいになります。
お仕事と両立しながら自分らしさ(自分が自由でいられる場所)を表現し続けていくのは、現代ではなかなか難しいと感じます。
でもその中で、果敢にチャレンジしている作家さん。
カヤさんにはご自身がとても大事にしている「場所」があるのだなと以前から感じていました。
それは生まれ育った現実の土地ではないけれど明らかに「自分を育んだ」場所で、地名もないから言葉にもできない。
でもその場所をすごく大事にしているということだけが伝わっていました。
数年前までは、その場所を、私も「未来」とか「架空」とか「へんな」という枕詞で呼んでいました。愛嬌があって、おかしみとか愛しさとか、寂しさもあるそんな場所。
ですが2022年の個展(西荻窪・meteor)でその場所がはっきりと描かれていたので、私にも見ることができたのです。
ぱっと見、大きな違いはわからないかもしれません。「背景」ではなく「光景」「情景」になったと言いましょうか。
イラストもデザインも(時々、文字やロゴデザインなんかも)精力的にこなしながら、ずっと「絵」が描きたいとおっしゃっていたカヤさんの絵。
背景がただの背景でなくなり説得力が生まれ、中央に立つ子は今にもその手に持った魔法の杖を振りかざしそう。そんなストーリーが浮かぶ一枚です。
展示会場での撮影:香川賢志