












タイトル:A.I. ゆらゆら
フレームサイズ:約260mm × 約320mm
画材:水性インク/水彩紙
北澤平祐さんのモノクロ作品。
草花や少女、フルーツなどの装飾的でカラフルなふだんのお仕事からは、いっけん遠くにあるような絵です。
でも実は私にとっては北澤さんといえば、ミュージシャンのMarc Bianchi氏とコラボしたロックなモノクロzine.
店頭であっという間に売り切れてしまって、自分の分が手元にないのが残念です。
お菓子やお茶のパッケージ、サンリオのポップアップカードなど、私の中の少女心をグッとつかむキュートでファンシーな一面と、モノクロの線だけで描かれたドープで奔放な、どうにでもなれ!って言いたくなるような一面。
もちろんどちらも北澤さんで、カラフルでもモノクロでも、危うさや大らかさの余地を残す線で、確かな世界の輪郭を描きます。
この作品は、体内細胞のような、生命が生まれる直前の海水のような、'未知'という自由を思い切り楽しんでいるような一枚。
絵本になった「ゆらゆら」(星)に似た不定形の生き物が蠢き、原始的な光の信号でメッセージを送ってきているかのよう。
そのキュートな目配せには決して抗うことができない、ちょっとした魔力も感じる作品です。
展示会場での撮影:香川賢志