







ポポタム18周年記念グループショウ(後期)の出展作品です。
タイトル:18歳のアルバイト
フレームサイズ:約255mm × 約340mm
イラストレーターの古郡加奈子さん。実は劇団「ワワフラミンゴ」で女優を務めたり、自身のライフワークとして「くノ一ウマ子」を主人公とした
シリーズの絵本や漫画を発表しています。
(ウマ子が絵の画面にいるので探してみてね!)
古郡さんは東京生まれ東京育ちでしたが、高知県の大学に進学しました。
当時アルバイトしていたお食事処を描いたのが、この一枚。
古郡さんのお話では、店長さんはおじいさんで、それはさまざまなお客さんが訪れていたそうです。
地方の喫茶店や食堂を知る人なら、想像ができるでしょうか。いや都市でも、レトロブームとは離れたところにある喫茶店だと、この空気を感じられると思います。
見た目も、属性も違う雑多な人たちが、それぞれの席で、好き好きに過ごしている。
交わればぶつかるかもしれないけれど、他者は放っておいて、めいめいにくつろいでいる。
そしてその様子を見る、ウエイトレスの女の子。
古郡さんが「ウマ子シリーズ」で描くのも、強烈なくせものが集まった世の中で、なんとなく誰もが好き勝手過ごしているのどかな世界ですが、それはある意味「放置力」がなければ実現できません。
アルバイトの女の子はぼーっとテレビの高校野球を見ています。
壁には天狗の面。「冷めんはじめました」(西の方は冷やし中華ではなく冷麺と呼ぶことが多い)の張り紙。
へんちくりんな連中が、それぞれおいしそうに食べて、うれしそうに帰って行けば、それがパラダイスなんじゃないかな。
古郡加奈子さんという絵描きの原点でもあるような一枚だと思います。
*フレーム付きですが、専用の箱はついていません。緩衝材に包んで段ボールで梱包して発送します。
展示会場での撮影:香川賢志