*画像のフレーム付きは完売しました。別デザインになりますが、額装をご希望の方は別途ご相談ください。
タイトル:五福臨門
フレームサイズ:横約304mm 縦約362mm
絵本の仕事も多く手がける山福朱実さん。
かつてはペン画を描かれていましたが、あるとき木版画と出会い、そのパワーとセンスが大きく開花した作家さんだと思います。
もともとビーズ刺繍や陶芸などクラフトの作業が好きで、「描く」とは別に「造る」ことでも表現していた朱実さん。
なるほど、木版画はその両方を備えているし、さらにはもともと持っていたポップで装飾的なセンスが生かされ、木版画のイメージを裏切る独特の作品世界を拡げています。
この作品は、気持ちよさそうに水浴びするかばと、夜空で踊るように羽を広げた五頭の蝙蝠たち。
夜空と、カバが水浴びする池とほとりの草花が、バランスよく安定感のある画面をつくっています。
ちなみに日本も含む東アジアで蝙蝠は、その漢字から「福」を呼ぶとされ吉祥紋様として描かれます。五頭の蝙蝠はつまり「五幅」(長寿・富貴・康寧・好徳・善終)という「人生の福のすべて」(キャプションより)のこと。
笑顔のカバと蝙蝠を眺めていると、まさに「祝福」という言葉が浮かびます。ハッピーになる一枚。
写真撮影:香川賢志